UNWTO駐日事務所は一般財団法人アジア太平洋観光交流センター(APTEC)との共催により、ベトナム南部のビントゥアン省ムイネーにおいて、下記のセミナーを開催しました。
【開催概要】
開催日時:2023年2月23日(木) 8:30~13:00
開催地 :ベトナム国ビントゥアン省ファンティエット市ムイネー The Cliff Resort Hotel
主 催 :UNWTO駐日事務所
一般財団法人アジア太平洋観光交流センター(APTEC)
協 力 :ベトナム観光総局(VNAT)、ビントゥアン省
参加人数:43名
対 象 :(地方)政府関係者、観光関連事業者
目 的 :・持続可能な観光地域経営の意識醸成
・UNWTOの取組と日本の先進事例の共有
・ベトナム国内のケーススタディの紹介
開催地となったビントゥアン省ムイネーは、ホーチミンから東へ約200kmのビーチリゾートで、ベトナム国内では人気の観光地ですが、今年2023年は「ビジット・ビントゥアン・イヤー」として特に省を挙げて観光に力を入れていることから、本セミナーの開催地としてベトナム側から推薦があったものです。
前半のUNWTOによるプレゼンテーション、「Introduction of “Sustainable Area Management Using Tourism”」では、UNWTOの取組を紹介すると共に、持続可能な観光の重要性と取組のステップ、沖縄の事例を紹介しました。
また、ベトナム観光総局によるプレゼンテーション「Good Practice of “Sustainable Area Management Using Tourism” in Vietnam」では、ベトナム国内の参考となるケーススタディとして3地域(ライチャウ省、ニンビン省、クアンビン省)を挙げ、各地域の取組を共有しました。
後半のグループディスカッションも活発に行われ、各グループからは以下のような課題が挙げられました。
・「これまでのメイン送客市場であったロシア以外の海外観光客誘致」
・「海岸部のムイネーに集中する観光投資の不均衡」
・ 「保健衛生、環境(ゴミ廃棄物)の問題」
・ 「人材育成、キャパシティビルディング」
・ 「ビーチ以外の内陸部における旅行商品の開発」
・ 「高速道路網の整備と建設中の新空港の早期完成」
・ 「マスタープランにおける観光以外の鉱業、農業、漁業等との調和」
これらの中には(海外)投資の誘致やインフラ整備など、地域レベルでは解決の難しい課題もありますが、今後、各課題に対して地域としてどのようなアプローチを取るべきか、現地ワーキンググループなどを立ち上げて、取組を推進していくことが期待されます。
本セミナーには来賓としてビントゥアン省人民委員会の副委員長(日本の都道府県副知事に相当)にも臨席いただき、閉会の挨拶では「今後も省内各地域でこの取り組みを促進していきたい」とのお言葉をいただきました。
当所としても引き続き、ベトナム国内における持続可能な観光に対する取組に対して支援を続けてゆきたいと考えています。