UNDP(国連開発計画)マレーシア・シンガポール・ブルネイ事務所及びマレーシア政府代表団は、同国内における更なる持続可能な観光の推進に向け、大阪・関西万博のマレーシアパビリオンでUN Tourismアジア太平洋地域事務所(RSOAP)と連携してセミナーを開催しました。また、併せて日本で唯一UN Tourismの「持続可能な観光地づくり国際ネットワーク(INSTO)」に加入している岐阜県を訪問しました。
大阪・関西万博マレーシアパビリオンにおけるセミナーの開催(4月24日)
「持続可能な観光:生産的な未来の構築」と「マレーシアの持続可能な観光への投資:投資機会とその影響」をテーマにセミナーが開催され、マレーシア生産性機構(MPC) Rohizam MD Yusoff氏、UNDPマレーシア・シンガポール・ブルネイNorhafiza Shafie氏、RSOAPの大宅副代表が登壇して意見交換を行いました。
MPCからは、SDGsを簡潔に関係者に伝えるために考案したスローガンであるCHECK(Culture, Heritage, Environment, Community, Knowledge)について説明するとともに、マレーシアにおける持続可能な観光に関する先進的な取組事例が紹介されました。UNDPマレーシアからは、持続可能な観光の投資先としてのマレーシアの優位性、成長分野(エコツーリズム、文化観光、グリーンインフラ)と投資機会について説明するとともに、UNDPによる地域レベルのプロジェクトも紹介されました。RSOAPは持続可能な観光を促進するUN Tourismの取組みとして、INSTOについて説明し、マレーシアの地域がINSTOに加入することへの期待を述べたほか、UN Tourismと国際協力機構(JICA)が作成した「観光を通じた持続可能な開発目標(SDGs)の達成―観光プロジェクトのための指標ツールキット(TIPs)」などについて紹介しました。

岐阜県訪問(4月23日)
マレーシアの代表団が岐阜県庁を訪問し、岐阜県における観光の概要、INSTOへの加入に至るまでのプロセス、設定した指標、観光における持続可能性のモニタリング手法等についての説明を受けました。質疑応答では、マレーシア側より、実際にINSTOに加入する際に考慮すべきことなどについて質問するなど、活発な意見交換が行われました。
意見交換後は、「長良川うかいミュージアム」及び周辺の河原町界隈を視察しました。参加者は、1300年以上続く鵜飼漁の文化、美濃和紙や岐阜提灯といった伝統工芸に触れ、地域の文化資源がいかに持続可能な観光と結びついているかについて大きな関心を示していました。
【持続可能な観光地づくり国際ネットワーク(INSTO)について】
観光地単位で、指標に基づく観光地域経営の活動を行うネットワーク
https://unwto-ap.org/insto/