アジア太平洋観光交流センター(APTEC)は、UNWTO本部、UNWTO駐日事務所、太平洋観光機関(SPTO)と共同で2021年に「太平洋のツーリズム・ストーリー:危機におけるレジリエンス(Tourism Stories Pacific: Resilience Through Crisis)」というプロジェクトを開始しました。このプロジェクトは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)により渡航制限が課されるなかで、特に観光への経済的な依存度が高い太平洋島嶼国(サモア、パプア・ニューギニア、パラオ、キリバス及びフィジー)の観光の最前線で働く人々や観光関係者が、危機を乗り越えていくストーリーを紹介するものです。
例えば、入国制限により外国人観光客が姿を消してしまうなかで、地域コミュニティへの貢献を続ける方法を見出した観光事業者の例を紹介しています。彼らは、COVID-19に対応するためのビジネスモデルの変革において、伝統的なカヌーの作り方を改めて学んだり、地域住民に伝統文化を学習させたり、オーガニック栽培やゴミ処理などの環境問題に取り組むことで、より強靭で持続可能な観光を実現する策を見出しました。これらのストーリーは、環境や伝統的な文化の保護、地域コミュニティへの貢献が持続可能な観光の実現に重要であることも示しています。
同プロジェクトが、皆様にとって、太平洋島嶼国において観光のレジリエンスに取り組む人々の声をより身近に感じ、再び太平洋の島々を旅してみたいという気持ちにさせるものとなることを願っています。
「太平洋のツーリズム・ストーリー:危機におけるレジリエンス」は電子書籍と動画で公開しています。是非、ご覧ください。
※APTECはUNWTO駐日事務所の活動を支援する団体です。