(2013.12.12 マドリッド)
最新のUNWTO世界観光指標(動向)によれば、2013年初から9カ月間の国際観光客は対前年5%の増となった。1月から9月までの世界の国際観光到着客数はUNWTOの当初想定していた数を上回り4,100万人増加し、受入れ各国に大きな刺激となっている。
国際観光到着客数は年初からの9ヶ月間に5%成長し、世界で8億4500万人の記録的数字に達し、2012年の同時期比4,100万人増加したと推計される。この伸びはともに観光客数で6%伸びたヨーロッパとアジア太平洋地域によるもの。
タレブ・リファイ事務局長は「国際観光は期待以上の伸びが続いており、先進国、新興国の両方の経済成長を支え、多くの到着地において切望されている雇用を創出し、GDPと国際収支勘定に寄与している。」と語り、「多くのヨーロッパの到着地における力強い結果はこの上なく喜ばしいことであり、観光部門が同地域において経済回復力の一つとなっていることは疑うべくもない。」と述べた。
(地域別要約)
・ヨーロッパは期待値を上回る
世界で一番観光客訪問の多い地域であるヨーロッパの国際観光客到着数は、中央・東ヨーロッパの平均以上の伸び(+7%)と南・地中海ヨーロッパ(+6%)に引っ張られ6%増えた。この伸びは2013年の当初想定を凌ぐものであり、2000年からの平均伸び率(2.7% 2000年から2012年)の倍である。
・アジア・太平洋(+6%)
東南アジア(+12%)に支えられ、手堅い結果となった。
・アメリカ(+3%)
北米(+4%)及び中央アメリカ(+3%)は良い結果であるが、比較的弱めであった。
・アフリカ(+5%)
北アフリカ(+6%)が伸びを牽引し、中央・東アフリカは 0.3%とわずかな成長となった。
(国際観光収入)
国際観光収入の伸びははっきりと前向き傾向を示す。
・国際観光到着客数が示す前向きの傾向は、今年の6カ月から10カ月間の世界中の到着地から報告された国際観光収入の結果にも反映されている。
・国際観光収入で大きな収入を上げている上位25カ国のうち10カ国で2桁の伸びが見られた。
アメリカ合衆国(+11%)、マカオ〈中国〉(+10%)、 イギリス(+18%)、タイ(+28%)、香港〈中国〉(+ 21%)、トルコ(+13%)、インド(+13%)、日本(+23%)、ギリシャ(+15%)、台湾〈Pr.中国〉(+ 12%)
(国際観光支出)
・国際観光支出は中国、ロシアにより急上昇
送客国上位10カ国のうちでも、ロシアの年初からの9カ月における海外旅行支出額が29%上昇し、全体の伸びを引っ張った。これは同国が2000年に送客市場で12位にあったものが2012年(430億米ドル)には5位となったことに続く、近年の強い伸びに続くものである。
昨年世界で一番の送客国(1,020億米ドル)となった中国はさらに急速な伸びを続け、2013年9月時点においてアウトバンド観光支出は22%に増加している。
他のBRIC各国からのアウトバウンド観光支出はブラジルでも強い伸び(+15%)。
先進国における送客市場の実績は比較的弱含みで:
カナダ(+3%)、アメリカ合衆国(+2%)、イギリス(+2%)及びフランス(+2%)は控えめの伸び、一方ドイツはゼロ成長で日本、オーストラリア及びイタリアの支出額は低下している。
注:UNWTOは、スペイン観光フェア、FITURの前日にあたる2014年1月20日に、毎年行われてるUNWTOプレス会議において、2013年通年成果を発表する予定です。