1946
- 第一回「観光国家機関国際会議」の会合がロンドンで開催され、1934年に設立された公式観光客啓発機関国際連盟(IUOTPO)に代えて、新たに国際的な非政府組織を設立することを決定。
1947
- 公的旅行機関国際連盟(IUOTO)の第一回設立総会がハーグで開催。IUOTOの本部が暫定的にロンドンに設置される。
1948
- IUOTO最初の地域委員会として、ヨーロッパ旅行委員会(ETC)が設置される。その後、アフリカ (1949)、中東(1951)、中央アジア、(1956)、米州(1957)と続く。
- IUOTOが国連諮問資格を取得。
1951
- IUOTO本部がスイスのジュネーブに移転。その後1975年まで同地に。
1954
- ニューヨークで開催された、「自家用自動車の一時輸入および観光についての通関に関する国連会議」にIUOTOが参加。同会議では二つの重要な多国間文書が採択され、旅行および観光のプロモーション活動が促進される。
1957
- ロベルト・ロナティ(フランス)が初代IUOTO事務局長に就任。1974年まで任期が延長される。
1963
- IUOTOの取り組みに基づき、「国連観光・国外旅行会議」の会合がローマで開催。同会議では、国際統計に関する「訪問客」や「観光客」などの用語の定義、国外旅行の手続きの簡素化などの一連の勧告、さらには、技術協力、移動の自由、差別の解消など、観光開発に関する一般決議が採択される。
1965
- IUOTOは、国際海事機関(IMO)がロンドンで開催した、「旅行・海運促進に関する国際会議」の活動に積極的に参画。同会議では、「国際海運の円滑化に関する条約」が採択される。
1966
- 第79回IUOTO執行理事会がマドリードで開催。IUOTOの法的定款を改訂する案が承認され、この変更による影響および結果を検討するためのワーキング・グループが設置される。
1967
- IUOTOの取り組みに基づき、国連が1967年を国際観光年(ITY)に。スローガンは、「観光は平和へのパスポート」。
1969
- ソフィア(ブルガリア)で開催された政府間会議および国連総会にて、個人観光に関する政府間組織の設立が強く求められる。
1970
- 9月27日、IUOTO特別総会の会合がメキシコ・シティで開催され、世界観光機関(WTO)の定款が採択される。1980年以降、この日は「世界観光の日」とされている。
1975
- スペイン政府の誘致により、第一回WTO総会の会合を5月にマドリードで開催。投票により、ロベルト・ロナティが初代WTO事務局長に選出される。また、同総会では、本部をマドリードに設置することを決定。
1976
- 1月1日、WTO事務総局をマドリードに設置。
- WTOを国連開発計画(UNDP)の執行機関とする合意に署名。各国政府と技術面での協力を実施。
1980
- マニラ(フィリピン)で開催された「世界観光会議」で、世界観光に関するマニラ宣言が採択。
1982
- アカプルコ(メキシコ)で開催された「世界観光会議」で、アカプルコ文書が採択。
1985
- ソフィア(ブルガリア)で開催された第六回WTO総会において、観光権利章典及び観光客規範が採択。
- 投票により、ウィルバルド・パー(オーストリア)が新WTO事務局長に。
1989
- 列国議会同盟と共同開催した「観光に関する列国議会会議」において、観光に関するハーグ宣言が採択。
- 第8回WTO総会をパリ(フランス)にて開催。
- 投票により、アントニオ・エンリケ・サビグナク(メキシコ)が新WTO事務局長に。
1991
- オタワ(カナダ)で開催された「旅行・観光統計に関するための国際会議」で、観光産業における統計のニーズを明確にした決議を採択。
- 第9回WTO総会をブエノスアイレス(アルゼンチン)で開催。オタワ会議の勧告を承認し、「観光における安全推奨策」と「90年代における障がい者のための観光機会の創出」を採択。
1992
- WTOが、リオデジャネイロ(ブラジル)で開催された国連環境開発会議に参加。同会議では「アジェンダ21」が策定される。
1993
- 第10回WTO総会をバリ(インドネシア)で開催。アントニオ・エンリケ・サビグナク(メキシコ)が事務局長に再任。国連統計委員会がオタワ勧告を承認し、国際標準観光産業分類(SICTA)を採用。
1994
- シルク・ロードに関するWTOとUNESCOの合同会合がサマルカンド(ウズベキスタン)で開催。シルク・ロード観光に関するサマルカンド宣言が採択。
1995
- WTO-UNESCOの文化プログラムであるアクラ(ガーナ)の「奴隷の道」に関するアクラ宣言
- 第一回「WTO議会・地方自治体フォーラム:観光政策立案者」をカディス(スペイン)で開催。地域、地方、国家の各種機関の協力の重要性を強調。
- リオ会議のフォローとして、WTO、WTCC、地球会議により、旅行・観光産業のためのアジェンダ21が策定。
- 第11回WTO総会をカイロ(エジプト)で開催。組織的売春観光の防止に関するWTO宣言を採択。
1996
- 第二回「WTO議会・地方自治体フォーラム:観光政策立案者」をバリ(インドネシア)で開催。バリ観光宣言を採択。
1997
- 第12回WTO総会をイスタンブール(トルコ)で開催。21世紀の課題に立ち向かうWTOの戦略を明確にした白書を承認。投票により、フランチェスコ・フランジェリ(フランス)が新WTO事務局長に。
1998
- WTO.THEMIS財団をアンドラに創設。観光教育や訓練の質と効率の促進を目指す。
1999
- 「観光の経済的効果測定に関する世界会議」がニース(フランス)で開催される。観光サテライト勘定を承認。
- 第13回WTO総会をサンティアゴ(チリ)で開催。世界観光倫理憲章が採択される。
2000
- 国連統計委員会が、観光サテライト勘定 (TSA)に含まれる国際基準を承認。
- 第三回「WTO議会・地方自治体フォーラム:観光政策立案者」をリオデジャネイロ(ブラジル)で開催。
2001
- 第一回「世界スポーツ・観光会議」が、WTOと国際オリンピック委員会の共同開催により、バルセロナ(スペイン)にて開催。
- 「観光サテライト勘定会議」がバンクーバー(カナダ)にて開催。観光サテライト勘定の利用促進を狙う。
- 第14回WTO総会をソウル(韓国)と大阪(日本)で共同開催。ソウル平和・観光宣言と大阪ミレニアム宣言を採択。フランチェスコ・フランジェリ(フランス)が事務局長に再選。
- WTOを国連の専門機関にする可能性を検討するよう、総会にて求める。
2002
- 2002年を国際エコツーリズム年に。
- ケベック(カナダ)にて、世界エコツーリズム・サミットを開催。ケベック・エコツーリズム宣言を採択。
- WTOが「持続可能な開発に関する世界首脳会議」(南アフリカのヨハネスブルグ)に参加。同会議中、「持続可能な観光貧困の撲滅(ST-EP)」プログラムが示された。会議の最終宣言では、持続可能な観光の開発に直接的に言及している。
- 第四回「WTO議会・地方自治体フォーラム:観光政策立案者」をパナマシティで開催。
2003
- WTOクライシス・マネジメント戦略がITBベルリン(ドイツ)にて採択。
- 第一回「気候変動と観光に関する国際会議」がジェルバ(チュニジア)にて開催。
- 第15回WTO総会を北京(中国)にて開催。世界観光倫理委員会の設置を承認し、満場一致で「持続可能な観光貧困の撲滅(ST-EP)」プログラムが支持される。
- WTOが国連の専門機関になることが決議453(XV)により総会で承認される。また、決議A/RES/58/232により国連総会で採択される。
2004
- FITUR期間中に、WTOが第一回「世界観光コミュニケーション会議」(TOURCOM)をマドリードで開催。
- 世界倫理憲章(1999年採択)の実施機関である世界観光倫理委員会が、初会合をローマ (イタリア)で開催。
2005
- 2004年の12月に津波によりアジアに壊滅的被害が発生し、これを受け、UNWTO事務局長がUNWTO執行理事会の緊急会合を招集し、プーケット・アクション・プランが採択される。
- 「観光サテライト勘定(TSA):観光の理解と戦略の立案」に関するUNWTOの会議を、アルゼンチン、ブラジル、パラグアイの各国政府とイグアスで共同開催。
- UNWTOと韓国政府が2004年に調印した合意に基づき、UNWTOのST-EP財団の公式本部をソウルに開設。
- 第16回総会をダカール(セネガル)で開催。持続可能な観光開発による貧困の撲滅に向け、UNWTOが果たすことのできる指導的役割を確認する。フランチェスコ・フランジェリ(フランス)が事務局長に再選され、3期目に。
- また、総会では、イニシャルを英語では「UNWTO」、ロシア語では「ЮНВТО」とすることを承認。
2006
- UNWTOがマドリードに設置されて30周年を迎える。
- コフィ―・アナン国連事務総長が議長を務め、国連の事務局長委員会がUNWTO本部で初の会合を開催。
- 第一回「国際観光・手工芸会議」がテヘラン(イラン回教共和国)で開催。
2007
- 第五回「国際議会・地方自治体フォーラム」をハマメット(チュニジア)で開催。
- 第二回「気候変動と観光に関する国際会議」がダボス(スイス)で開催。ダボス宣言が採択され、「観光と気候変動に関するロンドン閣僚級サミット」において承認される。
- 第一回「観光・宗教・文化対話の国際会議」がコルドバ(スペイン)で開催。
- 第17回UNWTO総会をコロンビアのカルタヘナ・デ・インディアスで開催。ダボス宣言を採択し、現代における最大の課題に挙げられる問題に取り組むようにUNWTOを促す。
2008
- UNWTOとその他の国連機関が、バルセロナ(スペイン)で開催された「国際自然保護会議」にて、持続可能観光国際基準を示す。
- マドリード(スペイン)で開催された第84回UNWTO執行理事会にて、経済不況に対応すべく、観光レジリエンス委員会(TRC)を設置。
- UNWTOが啓発キャンペーンとして「旅行・観光における児童の搾取防止」を開始。
- 世界観光倫理委員会の常設事務局をローマ(イタリア)に開設。
2009
- 世界的な金融危機を受け、UNWTO回復ロードマップを策定。景気回復ならびにグリーン経済への長期的な移行に観光がどのように貢献できるかを示す。
- 第18回UNWTO総会をアスタナ(カザフスタン)で開催。観光を景気刺激策の主流にする方法として、回復ロードマップを承認。また、タレブ・リファイ(ヨルダン)を2010~2013年のUNWTO事務局長に。
- UNWTOと世界旅行ツーリズム協議会がCOP-15交渉のサイド・イベントをコペンハーゲン(デンマーク)で開催。気候に関して緊急に対応すべき課題に対する観光産業の取り組みを示す。
2010
- 第一回T.20閣僚会議が開催される。世界経済の回復および長期的な「グリーン」への移行に観光が貢献できることを強調。
2012
- 国際観光客到着数は 史上初めて、1年で10億人を超えた。観光が国連持続可能な開発会議(リオ+20)の成果文書、ならびにG20首脳宣言に盛り込まれる。
2013
- 第20回UNWTO総会が「誰もが参加できる観光に関する勧告」を承認する。
2014
- UNWTOの勧告に沿って、貧困の根絶、コミュニティ開発、生物多様性の保護に対する持続可能な観光の貢献を認める決議が第69回国連総会のコンセンサスにより採択される。
2017
- 2017年を持続可能な観光国際年と宣言する。
- 第22回UNWTO総会がUNTWO観光倫理に関する枠組条約を承認し、観光倫理憲章を国際条約化する。