Newsletter_Issue 2 Final

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アジア太平洋観光交流センター(APTEC)
ニュースレター 

 

Issue 2

早いもので今年も師走となりました。当センターに対する日頃からの多大なご支援に厚く御礼申し上げます。
 このたびAPTECが支援する国連世界観光機関(UNWTO)アジア太平洋センターの最近の活動報告及び賛助会員様の最新情報の発信として「APTECニュースレター(第2号)」をお届けいたします。
 今秋、UNWTOでは「モンゴルにおける遊牧文化と観光:持続観光を通した地域の活性化」や「お年寄りや障がいをもった方も楽しめる観光」等、多様なテーマで国際会議が開催されました。観光がグローバル化する中で、観光は経済成長を牽引する部門であるだけではなく、地元地域への恩恵や全ての人が参加できる活動であるものとして議論を深めていく必要性について強調されました
。  
 また、12月21日(水)13:00-16:00にホテル日航奈良において、「グローバル観光セミナー/UNWTOアジア太平洋センター」を開催いたします。本セミナーではインバウンドの消費行動及び旅行需要予測等を調査研究されているJTB総合研究所黒須宏志氏を始め、国内外のベストプラクティスとして、ツーリズムEXPOジャパン2016においてジャパンツーリズムアワード大賞を受賞された飛騨高山国際誘客協議会の会長堀泰則氏、2015年大幅に観光収入を拡大したタイ国より政府観光庁大阪事務所森井英二氏を講演者としてお迎えして開催いたします。今後の日本へのインバウンドの受け入れ拡大のためお役に立てていただければと存じます。
 尚、このセミナーではご参加いただく皆様方の情報交換の場を設けておりますのでご活用いただければと存じます。お席に限りがございますので、ご出席をお考えいただいている方は、早めにご回答をいただけると幸いです。皆さまのご参加をお待ちお申し上げます。

 来年は国連が定めた「開発のための持続可能な観光の国際年」です。当センターはUNWTO本部と連携しながら、観光と環境の共生を目指した持続可能な観光を推進して参りたいと存じます。引き続きご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。

UNWTO・PATA 共催 第10回観光動向と展望に関するフォーラム

UNWTO長期予測において、2030年は18億人に上ると予測。技術の発展により旅行手続きの簡素化、旅の多様化、情報発信の充実化に裏付けされ、今後も観光客の増加を予測している。アジア太平洋地域は2015年比で9%の伸びを示し、通年で倍の伸び率を示すと予測している。(2016年10月20~22日UNWTO・PATA 共催 第10回観光動向と展望に関するフォーラムの桂林(中国)における発表者資料から抜粋)

「ツーリズムEXPOジャパン2016」にUNWTOタレブ・リファイ事務局長来日
 写真左:アジアツーリズムフォーラムの様子    写真右:当センターからのプレゼンテーションの様子

 2016年9月22日~25日、ベルサール東京日本橋及び東京ビッグサイトで開催されたJATAツーリズムEXPOジャパン2016、JATA(日本旅行業協会)、日本観光振興協会(JTTA) 及びJNTO(日本政府観光局)共催には185,800人、日本橋で開催されたジャパンナイトには15,200人の来場者がありました。UNWTOタレブ・リファイ事務局長及びUNWTO
アフィリエイトメンバー部 ヨランダ・ペルドモ 部長が、ツーリズムEXPOジャパン2016に出席のため来日しました。
 同事務局長は、翌日22日開会式、「グローバル観光フォーラム」での基調講演を行い、UNWTOアジア太平洋センター本保芳明代表(APTEC理事長)がモデレータ―として登壇しました。同事務局長は昨年から創設されたJATAツーリズムアワードの授賞式において、KNT-CTホールディングスに「UNWTO部門賞」を授与し、その後、同事務局長はベルサール東京日本橋で開催されたジャパンナイトに参加し日本及び各国の来賓との交流を深めました。
 23日には、同事務局長は東京ビッグサイトで開催されたツーリズムEXPOジャパン2016の展示会場の視察後、ベトナムダナン市で開催される「UNWTOスポーツ・ツーリズムに関する会議」出席のため離日しました。
同日、アジアの観光産業のリーダーが集い観光戦略などについて討議する「グローバル・ツーリズム・リーダーズ・フォーラム」において、田川博己ツーリズムEXPOジャパン実行委員長、マリオ・ハーディ―太平洋アジア観光協会(PATA)CEOと共に、福田純一UNWTOアジア太平洋センター副代表(APTEC事務局長)が「東京宣言2016」の調印式に登壇しました。同宣言では、持続可能な観光振興は世界において重要な政策であり、アジアが世界の観光をリードし、MICEにおける質的向上及びスポーツイベントへの交流人口の拡大を確認し、相互に情報やノウハウを共有し、その実践により持続可能なアジアの観光の未来に貢献することを発信しました。
 また、国内観光シンポジウムは
「ガストロノミー・ツーリズムで地域を元気に」のテーマで議論され、UNWTO本部よりヨランダ部長が「ガストロミー・ツーリズム」に関して基調講演を行いました。シンポジウムは 最後に、JATA関西支部の海外旅行・国内旅行・インバウンドツーリズム合同委員会において、2015年の世界の観光動向をまとめた「ツーリズムハイライト2016」の内容について当センターがプレゼンテーションを行いました。      

本保代表がパプアニューギニア観光会議に出席
写真左:パプアニューギニアの観光芸術文化省タビアス・クラング大臣から感謝状を受理する本保代表
写真右:UNWTOタレブ・リファイ事務局長からのビデオメッセージ

 2016年9月23日にパプアニューギニア政府観光局主催の観光会議(National Tourism Conference)がポートモレスビーのスタンレーホテルで開催されました。「発展のための観光」をテーマに同国の観光発展における課題、その解決策について積極的な議論が行われました。
会議にはパプアニューギニアの観光芸術文化省タビアス・クラング大臣及びパプアニューギニア政府観光局ジェリー・オガスCEOをはじめ同国の政府、観光関係者、学術機関及び国際協力機構等から約250名が参加しました。会議ではUNWTOアジア太平洋センターの本保代表(APTEC理事長)がUNWTOを代表してスピーチを行い、UNWTOタレブ・リファイ事務局長からのビデオメッセージも流されました。南太平洋観光機関(SPTO)、太平洋アジア観光協会(PATA)、日本国際協力機構(JICA)の代表もゲストスピーカーとしてそれぞれ講演も行いました。
 本保代表のスピーチの主な内容
  • 直近のUNWTO観光統計及び長期予測
  • 世界の観光客数実績は2015年11億人、2030年の観光客予測数は18億人。なかでもアジア・太平洋の成長が著しい(2015年2億7900万人から2030年5億3500万人と約2倍に成長すると予測されている)
  • 観光は世界における重要な経済の牽引役であるとともに、平和と繁栄及び持続可能な社会、経済、環境に貢献するものである。
  • すべてのステークホルダ―によるUNWTO世界観光倫理憲章に基づく行動により持続可能な観光の発展が望める。
  • 2017年は持続可能な観光開発のための国際年でありその推進が期待される。
会議の主催者であるパプアニューギニア政府観光局ジェリー・オガスCEOのプレゼンテーションでは同国の観光の現状について説明があり以下の取組をアピールされました。
  • 着実な予算の確保
  • 国際機関とのパートナーシップ構築
  • 国から観光産業へのインセンティブの提供
  • 国及び地域における強いリーダーシップの存在
  • 観光を重要なセクターとして位置付ける
  • 観光の重要性に対する意識の向上及び研修
 会議終了後、本保代表はオガスCEOと会談しました。オガスCEOはこの会議にUNWTOが参画してくれたことにより、同国の観光関係者に対し観光の重要性について意識を高めることが出来たことは意義深いと述べるともにUNWTOの本会議への参加に謝辞を述べました。同国は今後UNWTOの活動に積極的な参加を表明し、本保代表はこれからのUNWTOのパプアニューギニアへの観光支援についてコメントしました。
 この会議はパプアニューギニアの観光週間(Tourism Week)の一環として開催され、会議翌日は今年の世界観光の日(World Tourism Day)のテーマである「世界の人々に観光を」(Tourism for all)においてパプアニューギニアの豊かな伝統工芸や文化を紹介しました。
 当センターはパプアニューギニアの観光発展のためUNWTO本部と密に連携し今後も支援していきたいと考えています。

UNWTO観光とスポーツに関する国際会議に参加
 写真右:UNWTOタレブ・リファイ事務局長からの挨拶の様子
写真左:日本政府観光局(JNTO)松山良一理事長が「日本のスポーツ観光」について講演

 2016年9月23~25日、ベトナム・ダナン市において「UNWTO観光とスポーツに関する国際会議」が開催されました。会議には世界各国からのUNWTO加盟国、民間部門、教育機関及びベトナム政府の代表、約200名が参加しました。
 現在においてスポーツ・ツーリズムは、人々と文化を繋ぐ力強い産業として認識されています。本会議においては、スポーツ・ツーリズムの市場及び活況、更なる発展のための包括的な戦略が議論され、各国のベストプラクティスが紹介されました。
主な内容は以下のとおりです。                           
  • スポーツ・ツーリズムは、8,000億ドルの経済効果に値すると予測されている。
  • スポーツ・ツーリズム開催にあたっては、観光関連組織とスポーツ団体との密接な連携が必要であり、地元の関係者はその成功や経済的な影響を図るスキームを構築する必要がある。
  • 旅行商品の観光関連組織及び施設がお互いに密に協力し合いながら、開催地の特性をいかした旅行商品を創造することが重要である。
  • スポーツツーリズムを市場化させる前には、プラス面とマイナス面(雇用、環境、地元の文化、インフラ)の両方を総合的に考慮する必要がある。
※スポーツ・ツーリズムは、スポーツ活動に参加又は観戦、競技場で行うスポーツを体験するために旅行することを意味しています。具体的には、オリンピックやサッカーワールドカップ等の世界から人々が集うメガイベントから一般参加型のマラソンやウォーキング大会、スキーや登山などを目的とした個人で楽しむスポーツを含みます。 

世界観光の日(World Tourism Day)公式行事に参加
写真右:世界観光の日(World Tourism Day)公式行事の様子
写真左:タイ国ゴーブガーン・ワッタナワラーングーン観光・スポーツ大臣からのコメント



 世界観光の日(World Tourism Day)と定められた9月27日を機会に、2016年9月26日~27日にタイのバンコクでUNWTOの国際会議「World Tourism Day 2016 ‘Tourism for All - Promoting Universal Accessibility’(「すべての人に観光を:ユニバーサルアクセシビリティの推進」)が開催されました。この会議には60ヶ国から500名の参加がありました。
 この会議は、2015年9月に国連で採択された「アジェンダ2030」の計画「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)」の17の目標の「誰も取り残されない」世界を実現しようという内容に合わせたものでもあります。
  テーマは「誰もが楽しめる旅行」であり以下の内容等が発表されました。
  • 旅行する権利及びビジネスの機会
  • 誰もが参加できる(アクセシビリティな)旅行の進化と社会的経済的な影響
  • 世界に広がるアクセシビリティの問題に対するメディアの貢献
  • 推薦される国際倫理基準-アクセシビリティについて
  • 高齢化が進むのに伴い誰もがスムーズに旅行ができなくなる可能性があること
  • 十分な政策の枠組みの必要性
  • すべての人が観光できるようにするための投資は観光地の価値を高めるだけでなく観光市場の競争力を高める。
 すべての人が旅行できるようにすることは、その観光地の関係者全体に付加価値を付けるとともに、観光客・地元の人両方の生活の質を上げるという良い手法の事例発表が行われました。

モンゴルにおける遊牧文化と観光:持続観光を通した地域の活性化に参加
写真左:UNWTOタレブリファイ事務局長からの挨拶
写真右:UNWTOシルクロード部アラベルソバ部長からのプレゼンテーション

 この会議は遊牧民と持続可能な都市の観光の可能性をテーマとしたもので、シルクロードの地域を中心としたUNWTOメンバー及び賛助加盟員、国連教育科学文化機関(UNESCO)の参加者を中心として21カ国から350以上の代表者を集め10月13日~15日の間、モンゴルのウランバートルで開催されました。
 シルクロードは、最も訪問されている国際的な旅行ルートの一つとなっています。しかし、訪問者の増加のため環境の保護や遺産の維持をどうするかなどの課題が出てきています。会議で参加者は、持続可能な開発目標(SDGs)の中の来たる2017年の「開発のための持続可能な観光の国際年」を念頭に置きながら、これらの課題や遊牧民に関する観光コース、商品開発についての大きな将来性について論じられました。
 今回は特にシルクロードの観光を多様化し、関係国のために十分な観光開発を達成するための責任ある遊牧観光をどう生み出すかという手法について話し合われました。

主なテーマは以下のものでした。
  • 遊牧観光を成長させるための強力なビジネス環境をつくる
  • 遊牧民の文化遺産を保護しながら文化や環境問題を呼びかける
  • 斬新な取り組みやテーマ性のあるイベントを通じて遊牧観光の可能性を明らかにする
遊牧民に関する観光を持続的に成長させるには、観光振興、文化遺産の管理と地域社会を尊重しバランスを取ることが必要です。そのためにはシルクロードに関わる観光地が民間部門、公的部門とも一丸となって関与し協力する必要があります。
賛助会員からのニュースのご紹介
「スマートツーリズム」の取組み~“最先端技術と旅の融合”~
   近畿日本ツーリスト㈱では「最先端技術×旅」を「スマートツーリズム」と名づけ取組んでいます。現在、トレンドであるウェアラブル端末メガネ型「スマートグラス」を活用し、「AR(拡張現実)」、「VR(仮想現実)」を体験する観光を推進しています。地域に眠る史跡や物語等をCG映像で復元したり、映画やドラマのロケ地で撮影シーンを再現したり、平和・震災学習での活用を含め、現実風景に映像を重ねた仮想現実を体験し、よりリアルに感じることで、観光振興に寄与します。また多言語対応可能なイヤホンガイドの解説は、急増する訪日外国人の方にも正確にわかりやすく内容を伝えることが出来ます。
 
その他、温泉旅館を活用し「旅」と「ランニング」を融合し、地域への誘客を促進する 
温泉ランニングステーション  事業や、道の駅を様々な角度からコンサルティングする地域活性化事業「道の駅元気プロジェクト」なども展開しています。
スマートツーリズム”推進 ウェアラブルで訪日観光に貢献「成田国際空港『日本のおもてなし』プログラム~空港空間を活用した訪日外国人向けサービス事業に向けイベントを開催~
 
スマートツーリズム”推進 ウェアラブルで地域観光に貢献 世界遺産 富岡製糸場CG映像ガイドツアー富岡市が新たな観光案内システムとして導入に向け実証実験~
 
詳しくは、下記へお問合せください。
近畿日本ツーリスト㈱未来創造室
TEL: 03-6858-3031
今後の行事
UNWTO観光グローバルセミナー/UNWTOアジア太平洋センター

2016年12月21日 13:00-16:00 受付12:30~ ホテル日航奈良 4F羽衣
講師:
株式会社 JTB総合研究所 主席研究員 黒須宏志氏
飛騨高山国際誘客協議会 会長 堀 泰則氏

タイ国政府観光庁大阪事務所 マーケティングマネージャー 森井英二氏   

サステイナブル・ツーリズム国際認証(GSTC) 秋田フォーラムにおいて基調講演を行います
2017年2月6日(月)~7(火)に秋田県国際教養大学で開催されます。当センターのルクイン事業・広報課長が①国連「開発のための持続可能は観光の国際年」におけるUNWTOの役割②サステイナブル・ツーリズム国際認証(GSTC)③観光デスティネーション組織(DMO)について基調講演を行います。ご参加にご興味のある方はこちらをご覧ください。詳細はこちらをご覧ください。






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