マンスリーアーカイブ 9月, 2018

UNWTO/UNESCO 観光と文化をテーマとした国際会議 プレシンポジウム 報告

2019年に京都市にて開催予定の第4回「UNWTO/UNESCO 観光と文化をテーマとした国際会議」のPRイベントとして、当センターは京都市と共催で、「ツーリズムEXPOジャパン(TEJ)2018」において、9月21日にプレシンポジウムを開催し、約210名の参加がありました。 プレシンポジウムでは、ポロリカシュヴィリUNWTO事務局長が開会挨拶を行い、「観光が急速に発展する中で文化・自然資源や地域社会の福祉を保護する責任は増している」、「文化観光を象徴する都市である京都は、本会議を開催するのに非常に適した都市である」等、2019年京都会議に対する期待を表しました。 また、門川京都市長から「京都市の観光と文化に対する取り組みについて」、髙科観光庁審議官から「観光先進国に向けた取組」、内藤文化庁審議官から「文化庁の京都移転と新・文化庁の取組」、アトキンソン・デービッド・マーク(株)小西美術工藝社代表取締役社長から「持続可能な観光を実現するために望ましい観光と文化の関係性」についての発表がありました。 続くパネル・ディスカッションにおいては、多様な文化の継承と持続可能な社会に向けた観光の果たす役割について議論が行われました。最後に、本保UNWTO駐日事務所代表から、「2019年京都会議においては、議論に終わることなく、我が国における観光と文化の理想的なパートナーシップ、行動規範づくりのきっかけ、スタート地点となり、国際的にも貢献して行けるようになることを強く願っている。」との期待が述べられました。   会議の様子

ツーリズムEXPOジャパン2018 報告

日本旅行業協会(JATA)、日本観光振興協会(JTTA)、日本政府観光局(JNTO)が、ツーリズムEXPOジャパン2018を開催しフォーラム&セミナー、ジャパン・ツーリズム・アワード、Visit Japan Travel&MICE Mart 2018等のイベントを開催し、旅行業界および一般の方々から約21万人の入場者がありました。 開会式の基調講演では国連世界観光機関(UNWTO)事務局長のズラブ・ポロリカシュヴィリが登壇し「観光で地域創生を!」をテーマに講演しました。今年で4回目となるジャパン・ツーリズム・アワードのUNWTO倫理特別賞には、高齢者・障がい者・外国人等を含むすべての人をおもてなしするバリアフリー観光の取り組みが評価された「佐賀嬉野バリアフリーツアーセンター」等6団体が受賞されました。 フォーラム&セミナーでは第2回観光大臣会合が行われ13カ国の観光大臣と国際観光機関の長が出席し、地域発展のための持続可能な観光について議論され問題点等が共有されました。会期中「UNWTO世界観光倫理憲章 民間部門による誓約」署名式も開催され、UNWTO事務局長、田畑観光庁長官が見守る中、株式会社アサヒトラベルインターナショナル、東武トップツアーズ株式会社の2社が署名し行動規範を守る世界553社の企業・団体に加わりました。 来年の「ツーリズムEXPOジャパン2019」は10月24〜27日に大阪(2020年は沖縄)で開催される予定です。 (4)関連ウェブサイト ※ツーリズムEXPOジャパンのウェブサイト ※ジャパン・ツーリズム・アワード受賞 報道発表 UNWTO世界観光倫理憲章 民間部門による誓約 UNWTO事務局長 ズラブ・ポロリカシュヴィリ 基調講演

UNWTO事務局長が関西を訪問しました

ズラブ・ポロリカシュヴィリUNWTO事務局長は、事務局長として初の来日に際して、駐日事務所がある奈良、和歌山、大阪を訪問しました。 事務局長はツーリズムEXPOジャパン2018に参加した後の9月23日に東京から奈良に移動し、荒井知事・仲川奈良市長との歓談、UNWTO駐日事務所の訪問、宝蔵院流槍術の体験、平城宮跡歴史公園、奈良県知事が誘致を希望している2021年のUNWTO総会で利用を見込む建設中の新コンベンション施設を視察しました。 翌日の9月24日は、2004年にJICA研修事業で訪れたことのある和歌山を再訪し、 仁坂知事と懇談したほか、醤油醸造発祥の地である湯浅町の醤油造り、秋津野ガルテン(田辺市)でのグリーン・アグリツーリズムの現場を視察しました。 9月25日は、大阪で一般財団法人アジア太平洋観光交流センター(APTEC)尾崎会長(大阪商工会議所会頭)を訪問し、UNWTOに対するAPTECの多大な協力に対する感謝を伝えました。その後大阪府立国際会議場(グランキューブ大阪)で開催された「メガイベントを通じた観光振興・地域活性化」のシンポジウムに参加し、日本訪問を終えました。 また、9月25日、サッカーJリーグ、ヴィッセル神戸所属のアンドレス・イニエスタ選手に国連世界観光機関の責任ある観光のための大使として活動頂くことになりました。ポロリカシュヴィリ事務局長が神戸で選手に任命の盾を手渡しました。選手は面談中始終笑顔で、和やかな雰囲気の式となりました。今後、イニエスタ選手にはツィッター等で観光について発信していただく予定です。 ※関連リンク先:UNWTO事務局長アジア歴訪について   一般財団法人アジア太平洋観光交流センター 尾崎会長(大阪商工会議所会頭)を訪問     醤油造りを見学(和歌山県湯浅町) 奈良県荒井知事を囲んで アンドレス・イニエスタ選手を国連世界観光機関の 責任ある観光のための大使に任命  

シンポジウム「メガイベントを通じた観光振興・地域活性化」報告

9月25日(火)に大阪府立国際会議所(グランキューブ大阪)おいて、国連世界観光機関(UNWTO)駐日事務所とAPTECが共催し、メガイベントと観光をテーマにしたシンポジウムを開催いたしました。当日のシンポジウムには、関西における観光関連団体や企業だけでなく、自治体や学術研究機関など幅広い方面から121名の参加がありました。 今回のシンポジウムは、2019年から3年連続でスポーツメガイベントの開催が日本国内で続き、 また2025年の万博を大阪が誘致するなど機運が高まっている中で、それらのメガイベントを観光地としての知名度・ブランド力の向上に結び付けることによってレガシーとし、それをどのようにその後の観光振興や地域活性化に繋げていくかといった課題について、国内における其々の関係者にこのシンポジウムを通じて考える機会を与え、今後の事業活動に繋げてもらいたいと企画されたものです。 会の冒頭、APTEC 尾崎会長より開会の挨拶があり、その後にUNWTOポロリカシュヴィリ事務局長および近畿運輸局八木局長より来賓挨拶をいただきました。ポロリカシュヴィリ事務局長は今回が就任後初めての来日であり、前週に開催されたツーリズムEXPOジャパン(@東京ビッグサイト)出席からの過密な日本滞在スケジュールの中、今回のシンポジウムにおける登壇が実現いたしました。 次に、UNWTOの専門アドバイザーである亀山秀一氏による基調報告がありました。亀山氏は、スポーツやメガイベントと関連する観光についての調査研究をUNWTO本部で専門に行っていますが、今回の基調報告では、昨年に刊行したレポート「Maximizing the Benefits of Mega Events for Tourism Development」(メガイベントを観光振興に最大限活用するために)に記載されている「5つの分野・21の視点」に関して、2000年以降に開催された主なメガイベントの開催国・開催都市がそれぞれどのような施策を行ったのかの具体的な事例紹介を含めて案内をいたしました。 その後、国内におけるメガイベントと観光の分野のリーダー的な方々を4名招き、其々下記のテーマで講演を行っていただきました。それらの講演の中では、メガイベントが観光振興・地域活性化に果たす役割、レガシーの実現に向けての取り組み等の事例とともに、今後のメガイベントにおいて活用されると思われるテクノロジーについても紹介がありました。 講演1 メガイベントを活用した観光振興レガシー 講演者:日本スポーツツーリズム推進機構会長・早稲田大学 教授 原田 宗彦氏 講演2 メガイベントを関西の観光振興に活かす 講演者:関西観光本部 理事・事務局長   森 健夫氏 講演3 観光振興へのイノベーション、テクノロジーの活用 講演者:(株)マーケティング・ボイス 代表取締役  鶴本 浩司氏 講演4 観光による地域活性化の鍵 講演者:(株)JTB 執行役員 法人事業本部スポーツビジネス推進担当 青木 尚二氏 セミナーの様子         UNWTO事務局長 ズラブ・ポロリカシュヴィリ

「第7回UNWTO都市観光フォーラム」に参加しました

UNWTOはこれまで、都市観光は国及び企業からの投資や外貨取得といった重要な経済活動に結び付き雇用創出、社会的包摂や地域の発展に資するものとして取組を続けてきた。また国連は昨年に持続可能な都市化に関する共有ビジョン及び方針を謳ったニューアーバンアジェンダを採択した。これらを背景に、持続的で競争力のある都市観光はニューアーバンアジェンダ及びSDGs(Goal11:住み続けられるまちづくりを)に大きく貢献することができると考えられており、本会議(9月16日~19日:於ソウル)では2030年を見据え、観光が急速に成長するなかで取組むべき課題やその都市への影響に対しての新しい戦略を議論する目的で開催されました。 今回の主な議論のテーマ: ・都市の競争力に対する革新的なアプローチ ・技術の都市観光への影響 ・都市の若返り(Rejuvenation of cities) ・全ての人にとって包括的な都市を構築 会議の結論では、都市計画には適切なインフラと技術に投資し、観光客そして住民(すべての人)にとって包括的都市を構築することの重要であることや、オーバーツーリズムの課題については、各部門が連携しながら、効果的な規制枠組みを作ることや、観光客自身が地域社会、伝統、都市の価値を尊重することが重要であること等が述べられました。 また同会議において、UNWTO図書「‘Overtourism’? – Understanding and Managing Urban Tourism Growth beyond Perceptions」がリリースされました。 ※詳しくはこちらへ 本会議では50カ国から900人の参加者がありました。 第8回UNWTO都市観光フォーラムは2019年にカザフスタンのアスタナで開催を予定しています。 会議の詳細はこちらからご覧ください。 (セッションのビデオをご覧いただけます) 会議の様子 ※ニューアーバンアジェンダ(New Urban Agenda)とは、国際連合の持続可能な開発のための2030アジェンダによる持続可能な開発目標をうけ、2016年10月17~20日にエクアドルのキトで開催された国連人間居住計画(国連ハビタット)によるハビタット3(英語版)(第3回国連人間居住会議、近年の持続可能性追求に基づき「住宅と持続可能な都市開発に関する国連会議」とも)において確認された21世紀におけるニューアーバニズム推進のための国際的な取組方針(アジェンダ)のことで、「キト宣言」とも呼ばれています。  
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